はじめに:なぜ自己分析をするのか?
「就職活動をする際には自己分析」・・・
決まり文句のように聞かれるこの言葉ですが、なぜ就職活動には自己分析をすることが必要なのでしょうか?
答えは、「自分のことを知る」ことが就職先を決める上で必須だからです。
自分で自分のことが分かっていないと、他人にもうまく説明できないし、自分で「この会社にしよう」という最終意思決定を納得しておこなうことができないのです。
これまでの人生の中で、「1分で初対面の他人に自分のことを理解してもらう」という経験がある人はどのくらいいるでしょうか。
しかも、同年代や先生にではなく、ビジネス関係・利害関係が発生する可能性のある人に向けて。
こういったこれまでに経験したことのないことをしなければならないのが就職活動です。
自分を雇ってもらう会社を探す訳ですから、平たく言うと、採用担当者や現場上司に「この人は他の人よりもお金を払う価値がありそう」「使えそう」と思ってもらえなければ、内定はもらえません。
その意味で、自分を他人にアピールする「営業活動」の準備として「自己分析」をする必要があるのです。
商品の特長が分かっていないと、その商品について説明ができませんからね。
ただし、自分のことを1から100まで整理して理解しようとする必要はありません。
「仕事をする上で」「社会人として」自分はこんな特長がある、ということが言えればOKなのです。
目次
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フレームワークを使って自分の特長を整理しよう
それでは、実際に自分の特長を知るためのフレームワークをご紹介します。
これは某人材大手会社の就職活動のガイダンスや転職活動の相談窓口で実際に使われている、簡易チェックリストです。
営業現場でも、この考え方を使って企業の求人サイトの原稿を作成提案していますので、これを理解しておくと自分に合う企業や職種がぐっとわかりやすくなります。
ではさっそくやってみましょう。
ソーシャルタイプ 簡易チェックリスト
日ごろのあなた自身の考えや行動に近いのはどちらでしょうか。
以下の6項目について、あてはまるほうをチェックしてください。
仕事・物事に対して
人・組織に対して
チェックできたら、それぞれどちらが多いかでタイプを確認しましょう。
- AとCが多い →W:創造重視タイプ
- AとDが多い →X:結果重視タイプ
- BとCが多い →Y:調和重視タイプ
- BとDが多い →Z:秩序重視タイプ
どうでしょうか。自分のタイプに納得できたでしょうか。
ちなみに、ABCDそれぞれの項目が3つ全てあてはまる程その特長は際立ち、それぞれの項目が2つの場合は中央に寄る(隣の性質も多少持ち合わせている)傾向にあります。
そして、この傾向は人だけでなく業界、一部職種にも応用できます。
営業職のようにどの業界にも存在する職種は、どのタイプの人でも活躍できます。
Wタイプについて
変化が激しく、クリエイティブ。
昨日言われたことと今日言われることが違うことがよくある業界・組織が多いです。
業界だとIT・WEB系、広告業界、商社など。
職種だと企画、制作など
Xタイプについて
合理的で達成や結果にコミットすることが求められる、一匹狼的な人が多いです。
業界だと外資系企業や金融系、コンサルなど。
Yタイプについて
アットホームで温和。人の役に立っている、感謝されることをやりがいに感じる。
Yの傾向が強いと現状維持の風土が強くなりすぎ、挑戦を奨励されないことも。
業界だとメーカー、人材、ブライダルなど。
職種だとサポート的な営業事務など。
Zタイプについて
手続きや基準に則って、きっちり着実な風土。
業界だと公務員(現状打破しようとしている自治体も多いですが)など。
まとめ
同じ業界であっても社長や役員など会社幹部のタイプによって方針は影響され、配属先の上司のタイプによっても居心地のよさは影響されるでしょう。
そして、見ていただいてわかるように、自分のタイプと対角線上にあるタイプが真逆のタイプです。
それを理解した上であえてその業界・職種にチャレンジするのならよいのですが、それを理解しないまま働き続けることは苦痛でしかなく、自分・会社ともにお互い不幸になってしまいます。
ちなみに、最近の学生の傾向としてYとZの学生が年々増えているというデータがあり、企業は逆にWやXの素養がある学生を欲しているケースが増えていると言われています。
「真面目でいい子は多いのだけれど、型からはみ出るような新しい風を吹かせてくれそうな人はいない」という採用担当の声も聞かれます。
もちろん職種によっても一概にWやXが絶対にいいとはいえません(おっちょこちょいのW型の人がZタイプの上司のいる経理に配属されたらお互いに不安ですよね)。
その会社や部署によっても求められるタイプは違うので、それを見極めること。そしてそれを自分のタイプややりたいことと照らし合わせて判断するのが、長期的に気持ちよく自分がイキイキと働ける場所を見つけるコツなのです。