企業説明会に参加すると選考通過率はあがるのか?

カテゴリ:就活の基本戦略
ES研究所 2018年01月16日
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企業説明会は選考通過率に関係あるのか?

はじめに

就活が解禁すると企業が企業説明会を沢山開催しますよね。

プレエントリー直後に説明会の席をめぐったクリック競争が行わる、学歴フィルターにより全席満席の表示が出てしまうなど、説明会の参加状況に一喜一憂してしまうものです。

そこで今日は「企業説明会が選考通過率に与える影響」について説明します。

企業説明会に参加すると選考通過率はあがる?

結論からいいます。

ほとんどの企業が企業説明会の参加回数は選考通過率とは関係がありません。

従って、企業説明会に参加した回数は選考通過率に影響しません。

あれほど、説明会の席をめぐって一喜一憂したにも関わらず、あれほど、長い時間を特定の企業のために使ったにも関わらずです。

説明会なしでも内定が取れている事例

私自身もそうでしたが、年収1000万をゆうに超える企業からも説明会・OB訪問一切なしで内定を獲得出来ましたし、他にも同様の就活生は沢山見てきました。

皆さんの周りにいる複数企業に内定した先輩達に「説明会参加無しで内定した会社はないか?」という質問してみてください。何人かに質問すれば、少なからずそういう先輩はいるはずです。

なぜ説明会に参加しても通過率が上がらないのか?

なぜ説明会に参加しても通過率が上がらないのか?それは、

企業は説明会に沢山参加した学生ではなく、自社の利益になる人材を採用したいから。』

です。

同じ給与を支払う上で、

  • (1)全説明会に参加したあまり優秀ではない学生
  • (2)説明会に一度も参加しなかったが自社に合った非常に優秀な学生

であれば、どちらを雇いますか?当然、後者ですよね。九州大学や北海道大学等の地方大学に所属していて説明会への参加が難しかった学生もいるわけですし。

もちろん一部の企業は説明会参加回数を見ている

ただ、一部の企業ですが、

  • (1)すべり止めにされがちな金融業界
  • (2)ミスマッチで入社させてしまった際に軌道修正が難しい業界(主に研究職)

などでは説明会に来ない学生を「志望度が低い」という観点からフィルターにかけてしまう企業もある様です。

しかし、これらの企業も説明会に沢山参加すれば内定するということではありません。きちんと自分が会社の利益に貢献しうる能力があることをESや面接で面接官に伝えられてはじめて内定が獲得できることに変わりはありません。

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企業の存在理由と人事のノルマから見る企業説明会の意味

企業は自社の利益を最大化するために新卒雇用を行います。また、人事とはいえサラリーマンなので

  • (1)内定受諾率(内定を出した学生の内、何%の学生が入社したか)
  • 早期退職率(入社してすぐ辞めないかどうか?)

いうノルマを背負っています。

この2点を考慮すると内定を出すか出さないかは以下の3点で決まります。

(1)能力
・数ある応募者の中から自社の利益に最も貢献する人材かどうか?
(2)内定受諾可能性(志望度)
・内定を出した後に、自社に入社させる余地があるかどうか?
(3)早期退職リスク
・入社後1〜3年(企業による)以内に退社しないかどうか?

確かに企業説明会への参加回数は、2つ目の「内定受諾可能性(志望度)」の指標にはなるかもしれません。

しかし、その企業への志望度を伝えるには、以下の2つが必要です。

  • (1)ESや面接において「他社と自社との違いを理解した上で、なぜ他社ではダメなのか?」という理由が明確になっていてる
  • (2)相手にその内容をESや面接を通じて正しく伝える力

これらが出来てはじめて相手に伝わり、評価されます。

「説明会に沢山参加したので御社が第一志望です」という薄い志望動機で内定を取れるほど就活は甘くありません。

もちろん参加が全くない就活生よりは、参加した就活生の方が志望度があると判断することは出来ます。

しかし、説明会への参加は移動・準備時間を含めると4〜6時間程度を要します。自己PRや志望動機、ESの作成、テスト対策等、他の行動の選択肢もある中で、「企業説明会に参加すること」が本当にベストな選択だと言えるのでしょうか?

参考記事

人事の3つのノルマから見えてくる3つの内定条件

なぜ就活生は企業説明会に群がってしまうのか?

ここまで説明してきたように、企業説明会への参加回数は内定率とほとんど関係しません。

しかし企業説明会は「行くに越したことはない」”かのように”見えるため、明確な目的を持たずに参加している就活生は沢山も多いでしょう。

企業説明会に目的意識を持たずに参加することによって、実は多くのデメリットが生じています。例えば、

企業説明会に参加するデメリットの例

  • ・ESやテスト対策等、他にやるべきことに時間が使えない
  • ・無駄に疲れるのでなんとなく就活が進んでいる気になってしまう
  • ・なんとなく就活を頑張っている気になってしまう

要するに、企業説明会に行くと疲れるし、予定とりあえず埋まるし「やった気になる」んですね。ただ、説明会に参加してもESや面接のクオリティは1ミリも上がっていないため内定には一歩も近づいていないんですが。

面接と違い、企業側はあなたに会いたくて説明会開いてるわけじゃないですからね。それでいて本来時間をかけるべきテストやESの対策に時間をかけられなくなるわけです。

ではなぜ、この様な状況でも就活生は企業説明会への参加を焦ってしまうのでしょうか?その理由は以下の3点にあると考えます。

(1)企業説明会に出ないと不安

  • 「先輩たちも行っていたから」
  • 「みんなが行っているから」

といった不安にかられてなんとなく参加してしまうパターンです。

何をしに企業説明会に行くのか?なぜ企業説明会に行くのか?といった目的意識を持たずに参加する最悪のパターンといえます。

(2)他に何をやっていいか分からない

「就活解禁だ!頑張るぞ!」とバイト等の予定を減らし、意気込んだのはいいものの

「説明会に行く以外に何をやっていいかわからないぞ…」

となってしまい、とりあえず「就活やってる感」が得られる企業説明会に参加してしまうパターンです。

(1)の不安にかられる層と同様に目的意識が曖昧なため、参加しても時間に対する効果を得られる可能性が低いでしょう。

本来、就活の準備としてやるべきことは

・ESの提出数を伸ばすための努力
自己PRや志望動機を事前準備してES1通を短い時間で出せるようにする
・選考通過率を高めるための努力
ESや面接のクオリティを高めて選考に通る可能性を高めること

の2つです。こちらの準備に時間を使ったほうが企業説明会より有意義な時間の過ごし方をできる可能性が高いでしょう

(3)企業研究・企業分析をするため

ほとんどの就活生が企業分析を目的に説明会に参加していると思います。しかし、「企業について知る」ための行動として特定企業の説明会への参加が本当にベストでしょうか?

実は企業説明会で話される内容のほとんどが採用HPにかかれています。

なぜなら、「企業説明会に来た学生にだけに開示する自社の魅力!」を作り、限定公開するメリットが無いからです。

地方にも優秀な学生はいるものの、時間・費用の採算に合わないから人事は採用に行けないわけです。わかりやすい例でいえば、九州大学や北海道大学大学等の地方旧七帝大などです。彼らは東京まで片道1万円程度の交通費がかかります。なので、説明会のために東京まで来れる学生は決して多くありません。

しかし、これらの地方の優秀な就活生に対して、ネットを通じて自社の魅力を伝えないデメリットは無いですよね。従って、企業は説明会で話している内容のほとんどを採用HPに掲載します。よって、企業研究として説明会を通じて得られる情報量は、採用HPを見て得られる情報量とあまり変わらない可能性が極めて高いわけです。もちろん、時間は圧倒的に企業説明会の方がかかってしまうので、「就活してる感」は感じられるのですが。

では、企業研究はどうすればいいか?

ちなみに企業研究ですが、企業説明会や採用HPよりIR(投資家向けに配信される企業情報)と新聞データベースを使うのが最も時間に対しての効果が高いです。以下記事を参考にしてみてください。

参考記事

IR(投資家情報)の見方と効率のよい企業研究のやり方

新聞を読まない圧倒的に効率の良い企業研究のやり方

参加した方がいい企業説明会

一方で、参加した方がいい企業説明会もあります。それは以下の3パターンです。

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