業界2位以下の企業の志望動機の書き方

カテゴリ:志望動機の書き方
ES研究所 2016年05月26日
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業界2以下の志望動機の書き方

もくじ

  1. はじめに
  2. 業界2位の採用マネージャーのジレンマ
  3. 業界1位の企業を受けていることを隠す?
  4. 業界2位の企業の志望理由の書き方
  5. まとめ

1. はじめに

このページでは『業界2位の志望動機の書き方』について説明する。ここでは

業界2位の企業の志望動機はどう伝えればよいか

について理解してもらえればと思う。

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2. 業界2位の採用マネージャーのジレンマ

業界2位の企業で必ず聞かれるのは

『ウチじゃなくてA社(売上1位の企業)に内定してもウチ来るの?』

という質問だ。特に採用マネージャーが面接官となる選考後半の場面でよく聞かれる。採用マネージャーは内定受諾率というノルマを追わされている。

ライバルの業界1位の企業からも内定を獲得できそうな優秀な人材は欲しいが、

  • ■ 仕事の大きさ
  • ■ マーケットシェア
  • ■ 給与・福利厚生

などを考えれば、1位の企業の方が高い。当然、学生にとって1位の企業の方が魅力的に見える。しかし、企業や人事は、その様な優秀な学生に自社の魅力を伝え1位の企業ではなく自社に入社してもらわなければ永久に1位の企業に打ち勝つことは出来ない。

従って、「採るべきだが、内定を出せない」というジレンマと人事は対峙することになる。そんな人事に安心して内定を出してもらうにはどんな志望動機を伝えれば良いのか。

3. 業界1位の企業を受けていることを隠す?

1つの手段として業界1位の企業を受けていることを隠すという手段が考えられる。しかし、これはやめたほうがいい。なぜならあまりに不自然で、

『そもそもなぜ業界1位の企業を受けなかったのか?』

という質問が来てしまう。これに人事が納得行く様に解答することの方がよっぽど何度が高い。従って、受けていると素直に答え、その上で『何故業界1位の会社じゃなく業界2位のウチを志望するのか?』という質問に答えた方が無難だ。

4. 業界2位の企業の志望理由の書き方

この質問の回答について例年苦しむ就活生は多い。就活生自身も本音では待遇の良い業界1位の企業を志望しているが、高い倍率をくぐり抜けられる保証がないため”滑り止め“で受けているのがホンネだったりするし、そんなことは当然人事もわかっている。彼らもかつては就活生だったのだ。しかし、この苦しいコミュニケーションを強いられる場面で「滑り止めです」としか言えない就活生を採用するわけにもいかず、この苦しい質問をぶつけているのである。業界2位以下の企業の志望理由を書く手順は以下のとおり。

  • 2社の違いを事実ベースで伝える
  • それぞれを選んだ時のメリット・デメリットを伝える

以上を踏まえ2位の企業を選ぶ方が自分にとって良い理由を伝える

手順1:2社の違いを事実ベースで伝える

まず、2社の違いを理解した上で志望していることを伝えるために、2社の違いを伝える。この時、理念や社風といった人によって見え方が変わる抽象的なものを根拠とするのではなく、事実を根拠とする様に注意する。

2つの企業の強みと弱みとスタンスを整理する

それぞれの企業の強みと弱みについて整理する。業界1位の企業には1位の立ち位置を支えるだけの強みがあり、それを活かして成果をあげた事例が必ず存在する。一方、2位以下の企業にも厳しい競争市場の中で生き残るための”強み“が必ず存在する。また、1位の企業にも2位の企業がつけ入れるだけの弱みがあり、2位の企業には1位になれない弱みが存在する。また、2社それぞれが大切にしている価値観を反映させた事例も存在する。これらをIRの読み込みや新聞DB検索等を使って調べあげ、事実をもとに整理していく。

【2社の違いを伝える】

「A社の強みは~であるのに対し、B社の強みは~であると考えます。例えば、(強みを示す事例)。一方、A社の弱みは~であるのに対し、B社の弱みは~であると考えます。例えば、(弱みを示す事例)。(※価値観の違いも同様の構文)」

手順2:それぞれを選んだ時のメリット・デメリットを伝える

手順1で整理した2社の違いを踏まえ、それぞれの企業に入社した場合の自分にとってのメリットを伝える。

例えば、

【A社のメリットとデメリット】

「確かにA社を選んだ場合、売上規模が大きく、海外なども巻き込んだ大きな業務に向き合う中で自身を成長させられると思います。しかし、~という点で、自分の強みや大切にしている価値観を活かしながら成果を上げていくことは少し難しくなるのではないかと考えています。」

【B社のメリットとデメリット】

「一方、貴社を選んだ場合~という点で、自分の強みや大切にしている価値観を活かしながら事業とともに自身を成長させられると考えます。しかし、海外での拠点等はA社に比べるとまだ少なく、取引金額の大きな案件に携わる機会は相対的に少なくなるとは考えています。」

手順3:何故それが自分にとって魅力なのかを書く

手順2のメリットにおいて、以下の関係性を伝える。

(A社のメリット-A社のデメリット)<(B社のメリット-B社のデメリット)

【なぜ自分にとって魅力か】

「以上を踏まえた時、やはりB社の方が魅力だと感じます。理由は2つあります。1つ目は、自身の価値観を活かしながら成長出来ることです。学生時代のAやB等の経験においても自身の価値観を行動に落としこむことで成果をあげ、成長してきたため、入社後も同様に成長していきたいと考えたからです。2つ目は、自身の強みをより活かせると考えたからです。貴社が取り組むX事業においては~という力が要求されると考えます。その上で自身の強みを~の様に活かすことで、自らを成長させていきたいと考えたからです。」

実際の選考においてはもっと短く、人事からの質問に答えながら面接が進んでいくことになるだろう。しかし、事実ベースで両社の違いを理解していることを示した上で、それらを踏まえてなぜ業界2位の企業を志望するのかを伝えることで納得感の高い志望動機を作ることが出来る。

5. 業界2位以下の企業の志望動機まとめ

いかがだったろうか。業界2位以下の企業の志望動機の書き方をまとめる。

業界1位の企業を受けてないことにするのは控えた方が良い。
その上で『なぜ業界1位ではなく2位か?』の質問には以下の様に答える。

  1. 2社の違いを事実ベースで伝える
  2. それぞれを選んだ時のメリット・デメリットを伝える
  3. 以上を踏まえ2位の企業を選ぶ方が自分にとって良い理由を伝える

採用倍率が数百倍を超えることも普通にある就職活動では業界1位の企業しか受けないのは難しい。業界2位以下の企業への通過率を高めることが、もし本当は業界1位の企業を志望しているならば、精神的余裕や経験からの学びをもたらし、結果的に業界1位への通過率を高めてくれるだろう。