人事の3つのノルマから見えてくる3つの内定条件

カテゴリ:就活の基本戦略
ES研究所 2016年04月06日
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人事のノルマと内定条件

もくじ

  1. はじめに
  2. 人事(採用担当者)のノルマ
  3. 人事のノルマから逆算できる内定の条件
  4. おわりに

1.はじめに

このページでは『人事のノルマ』について解説し、それを逆手に取った『内定の条件』について説明する。ここでは

  • 人事はどのようなノルマを追わされているのか
  • 人事はどんな人材に内定を出すのか

について理解してもらえればと思う。

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2.人事(採用担当者)のノルマ

企業説明会や合同説明会等で声高にビジョンやミッションについて語る人事も、立場としてはサラリーマンとなる。上司がいて、ノルマがあり、ノルマをクリアすれば評価が上がり、クリア出来なければ評価が下がる。もちろん、全ての人事が情熱や自社や採用する就活生に対しての想いを持たずに仕事をしているとは言わない。しかし、企業の人事システムが持つ評価システムが採用に一切影響を与えていないとは考えづらい。

そこで、内定獲得のために一般に人事が企業側から課されているノルマ(目標)がどんなものかは知っておくに越したことはない。

2-1.採用人数と採用品質

人事に課される最も重要なノルマが採用人数と採用品質である。

これは、「自社の採用基準を満たす優秀な人材を、採用計画の人数通りに入社させること」ということである。生涯年収を考慮すると新卒採用は数億円のお買い物であるから単に頭数だけ揃えるのではなく、人件費に見合う優秀な人材を獲得しなければならない。また、質にこだわった量(採用数)がおざなりになれば、人的資源(人手)が不足して数年後の企業の競争力が低下してしまう。従って、多すぎず、少なすぎず、上層部から降りてきた目標人数を採用することが求められる。

2-2. 内定受諾率

人事に課される第2のノルマは内定受諾率である。内定受諾率とは「入社人数÷内定を出した人数」で求められる「内定を出した就活生から何%の就活生が入社してくれた」を表す指標である。採用のゴールは優秀な就活生に内定を出すことではなく、優秀な就活生を自社に入社させることである。優秀な就活生には内定が集中するため、数ある人気企業から自社を選んで貰えるように就活生に対して“営業”を掛けなければならない。この時、優秀な就活生を惹きつける力が人事に求められる力であり、企業からも期待される力となる。

2-3.早期離職率

人事に課される第3のノルマは早期離職率である。これは、採用した就活生のうち、入社後、所定の年数以内に退職や休職をする割合のことである。早期に離職するということは、採用のミスマッチを意味する。こうしたミスマッチは採用された就活生にとっても、企業にとってもマイナスにしかならない。

このミスマッチを解消するために、企業は人事という人手を掛けているのだから、ミスマッチの割合を一定以下に抑えることは当然求められる。また、採用費の投資回収の観点からも、一定の期間以上雇用しないと回収できない。従って、ミスマッチな人材を採用することは業績に損害を与えていることを意味する。よって、一定のノルマを課すことで、虚偽の情報を就活生に提供するなどして安易に入社させることを防止いている。

3.人事のノルマから逆算できる内定の条件

人事のノルマは以下の3点である。

【人事のノルマ】

  • 採用人数と品質
  • 内定受諾率
  • 早期離職率

従って、人事がドライにこのノルマを追求した場合、以下の様な就活生に内定を出すと言える。

【人事のノルマに見る内定条件】

  • 1. 優秀(採用基準を満たす)
  • 2. ちゃんと入社してくれる
  • 3. 早々にやめない

上記3点をエントリシートと面接(GD)の場面で人事に伝えることができれば内定が獲得できることになる。特に採用担当者との面接となる場合が多い選考後半の段階においては、特に

  • 「本当に来るか?」
  • 「辞めないか?」

を確認してくる。他社選考状況と就活の軸に一貫性はあるかどうか、将来のキャリアビジョンは自社で叶うものになっているか、就活生のスタンスが自社の風土と合うかどうかといった項目を確認するための質問を通じて上記の3つの条件を満たす就活生かどうかを確認してくる。従って、ESの内容や面接の想定問答集を作成する時には、上記の3つをきちんと伝えられる様な内容になっているかどうかを精査することが必要になる。

4.人事のノルマと内定条件のまとめ

いかがだったろうか。人事のノルマと内定条件についてまとめる。

【人事のノルマ】

  • 1.採用人数と採用品質
  • 2.内定受諾率
  • 3.早期離職率

【内定条件】

  • 1.優秀
  • 2.ちゃんと入社する
  • 3.すぐ辞めない

人事から上記3つの条件を満たす人材であることを判断されることが内定獲得には必要となる。

もちろん中には第一志望“群”であるため、他社からの内定を獲得したらそちらに入社しようと思っている企業がある場合もあるだろう。しかし、就活生と内定者の2つの自己分析で述べたように選ぶのは選ばれてからだ。まずは、内定獲得を目的に動き、内定獲得後に最適な入社先を選定する方が合理的だ。「どうすれば内定を獲得できるか?」の答えの一部はここまで述べた人事のノルマに隠れている。